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娯楽・快楽・道楽

 娯楽が仏教語?極楽の間違えじゃないか!と誰もが首を傾げ、意外に思うかもしれませんが、これも経典の中に出てくる、れっきとした仏教語なのです。「法華経(ほけきょう)」の中に「自ら娯楽して、無量の安穏快楽(あんのんけらく)を得べし」と説かれています。ですから、娯楽も快楽も、ともに仏教語なのです。但し快楽は、一般的には「カイラク」と読んでいますが、本来は「ケラク」と読みます。

 娯楽といえば、パチンコ、麻雀、芸能(映画、演劇、音楽、落語、他)などを思い浮べますが、経典で説く「娯楽」とは、修行の結果を得られた心の安らぎ、楽しみの事でまた同様に「快楽(ケラク)」は、宗教的な満足や楽しみの事をいいます。

 仏教でもキリスト教でも、その他の宗教でも、歌舞音曲が法要儀式の中に取り入れられていますが、それによって心が安らぎ、慰められるので、それらを「娯楽」と呼び、その娯楽が「快楽」にもつながるのです。また、念仏踊り、声明(しょうみょう)、梵唄(ぼんばい)、和讃、ご詠歌、盆踊りなどは、すべて仏教から取材し、発展してきたもので、元来は仏典に基づく仏教娯楽でありました。

 ちなみに、娯楽に似た語に「道楽」がありますが、これもまた仏教語で、仏道修行の結果、得られる安心(あんじん)、安楽の事です。

 ところが一般的には趣味と同義語に扱われて、盆栽づくり、碁、将棋、カメラ、その他余暇を楽しむ、半分遊興的なものに打ち込む事を「道楽」と呼んでいます。
 
 そこで結論ですが、娯楽も快楽も、そして道楽も、仏典が起源である以上、決して心の退廃に結びつくようなものであってはならないと思います。



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一口法話・バックナンバー

■平成17年5月度 「サバを読む」
■平成17年4月度 「金輪際・断末魔(こんりんざい・だんまつま)」
■平成17年3月度 「根性(こんじょう」
■平成17年2月度 「言語道断(こんごどうだん)」
■平成17年1月度 「娯楽・快楽・道楽(ごらく・かいらく・どうらく)


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