お釈迦さまは、二十九歳で出家し、ほおがこけ、あばら骨が見えるほどの苦行をつづけられました。六年にわたり生死をかけた修行生活を続けましたが、精神と身体の安心を得ることはできませんでした。
苦行生活を捨てたお釈迦さまは、尼蓮禅河(にれんぜんが)という川で身体を清め、村の少女、スジャータに乳粥(ちちがゆ)の供養を受けられました。その後、菩提樹(ぼだいじゅ)の木のもとで坐禅に入られました。
いろいろな雑念が心をかき乱しましたが、時がたつにつれ、迷いからときはなたれました。
十二月の八日の夜明け前、きらりと光る明星を仰いだときお釈迦さまは、おさとりをひらかれたのでした。
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